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「物語に基づく医療」を社会システム論から考えてみる(中編)
この記事は『「物語に基づく医療」を社会システム論から考えてみる(前編)』の続きになります。 前編では当記事作成の経緯、そして《物語に基づく医療(以下NBM)》についての再確認をしました。 中編では、 ・交換様式論ってなんだ? ・物語に基づ... -
「物語に基づく医療」を社会システム論から考えてみる(前編)
それは、フロイトの言葉でいえば「抑圧されたものの回帰」として回復される。それが交換様式Dである。(世界史の構造 柄谷行人著 より) まず、はじめに医療の領域から少しだけズレることをお許しください……! 筆者は現在、通信制大学にて心理学を... -
その優しさ、作業剥奪では?
「息子がね、お母さんは何もしなくていいからね」って言ってくれるの。 そんな風に話す笑顔のAさんの目は、なんとなく悲しげだった。 80代後半、脳梗塞の後遺症で軽度の左麻痺はあるものの、認知面は良好、日常生活も概ね自立されていた。 Aさんからこの言... -
はじめて患者さんに拒否された話(前編)
「あの子にもう来て欲しくない」 この言葉は筆者が初めての短期実習で、患者さんから言われた言葉です。 この時、初めて患者さんから「拒否」されるという体験をしました。 面と向かって言われたなら、その場で改善する努力ができたかもしれません。 しか... -
患者さんやご家族の今後を一緒に考えるということ
私は訪問診療所の看護師です。医師の診察の同行で、患者さんやご家族の今後の生活についてお話させていただく機会が多くあります。近年、人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)の考え方が広まってきています。「もしものときのために今後のこと... -
「体験」のすすめ
以前、介護職の職場の人からこんなことを聞きました。 「学校で実際にオムツを履いて、排泄するまでトイレに行かない、という体験があった」 詳細はわからないですが、身体介護を行う介護士ならでは(?)だなあと感じました。 私の場合は理学療法士... -
初めて体験した患者様の死
今回は、僕が去年経験した「死」にまつわる話について書いていこうと思います。 遡ること、2023年の5月。 初めて担当している患者様が亡くなりました。原因は、嚥下機能低下による痰がらみでした。夜中に酸素飽和度が低下し、医師や看護師による処置や吸引... -
仏教系理学療法士が逃亡後スタートしたこと
前回は看取りの場から逃げてしまった話をしました。 今日はそのあとの行動について述べます。 その後、私はどうしたかと言いますと まずその場にいるようにしてみました。 つまり、目の前の患者さんから逃げない。 自分のできる限り、とことん向き合ってみ... -
「最高のリハビリ」について考えてみる(後編)
《「最高のリハビリ」について考えてみる(後編)》です。 前編はこちらへ! 前編は先輩の金言と「最高のリハビリ」を考えるきっかけを語り、実質ここからが私が考える「最高のリハビリ」になります。 一口にリハビリ、リハといっても色々な種類があ...