よくわかる音響学②音圧と音の感じ方

前回は、音が空気中を伝わる縦波であることを説明しました。今回は、音の大きさを表す音圧と、私たちがどのように音の大きさを感じるかについて、詳しく説明していきます。

音圧とは、音波によって引き起こされる空気の圧力変化の大きさを表す物理量です。音圧の単位はパスカル(Pa)で表されます。音圧が大きいほど、音は大きく感じられます。しかし、私たちの耳は音圧の変化を直接的に感じているわけではありません。

実は、私たちの聴覚は、音圧の変化に対して対数的に反応しています。これは、ウェーバーの法則と呼ばれる心理学の法則に基づいています。ウェーバーの法則とは、ある刺激の変化に気づくためには、その変化量が元の刺激の大きさに比例して大きくなければならないというものです。

音の場合、音圧が2倍になったとしても、私たちはそれを2倍の大きさの音として感じるわけではありません。音圧が10倍になったときに、私たちは音の大きさが2倍になったと感じます。この関係を表すために、音圧レベルという単位を使用します。

音圧レベルは、デシベル(dB)という単位で表されます。音圧レベルは、基準となる音圧(20マイクロパスカル)と比較して、対数で表された音圧の比率です。例えば、音圧レベルが60dBの音は、基準音圧の1,000倍の音圧を持つ音です。

私たちの耳は、0dBから120dBまでの音圧レベルを感知することができます。ただし、85dB以上の音に長時間さらされると、聴覚に悪影響を及ぼす可能性があります。一方、20dB以下の音は、非常に静かであり、聞き取りにくい場合があります。

音圧レベルと私たちの感覚の関係を理解することは、音響機器の設計や音環境の管理において重要です。例えば、コンサートホールの設計では、音圧レベルが適切な範囲内に収まるように、音響設計が行われます。また、工場や建設現場などでは、作業者の聴覚を保護するために、音圧レベルが管理されています。

以上のように、音の大きさは音圧によって決まりますが、私たちの聴覚は音圧の変化に対して対数的に反応します。音圧レベルを理解することで、音環境をより適切に管理し、快適な音空間を創造することができるのです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

樋口 直樹のアバター 樋口 直樹 言語聴覚士

言語聴覚士国家試験対策予備校SAKUSAKUスクールマネージャー、徒手的言語聴覚療法研究会代表、株式会社GLANZ PLANNING CEO

目次