“相談に来てくれる人はふたつの不安を感じている”
特別養護老人ホームで生活相談員をしていると、1ヶ月に受ける入所相談は10~20件ほどです。
そして、入所している利用者さんの家族の方からも、本人の生活の様子や今後の対応の方針などについて日常的に相談を受けています。
今回は、日常業務の中で多くの相談を受けている私が、普段感じている冒頭の言葉についてお話ししたいと思います。
ふたつの不安とは、以下のとおりです。
- 自分の抱えている悩みが解決するか
- 相談に来ている自分を受け入れてもらえるか
ひとつめは、自分の抱えている悩みが解決するか。
相談に来ているそもそもの理由です。
具体的には、以下のような相談です。
- 病院から期限までに入所する施設を探すよう言われている
- 老健に入所して1年経つので特養へ移りたい
- 有料老人ホームは費用が高いため特養へ入りたい
- 利用料金を安くする方法はないか
- 面会を増やしてほしい
- 毎日個別にリハビリしてほしい
これらの相談は、できる範囲で対応はしますが、応えられないことも多いです。
特養には定員があるため、満床のときに次の方の入所は進められません。
また、利用料金は法律で決められている部分が多いため、個別に割引することもできないのです。
もうひとつは、相談に来ている自分を受け入れてもらえるかどうか。
例えば、以下のようなものです。
- 親を施設に入れようとしている自分は悪者ではないか
- 看取りを選択したら見殺しにすると思われないか
- こんな相談をしたら馬鹿にされるんじゃないか
これに関しては、受け手の対応次第で100%応えられるものです。
相談員やケアマネであれば、何らかの問題が生じて相談に来ていることを受け入れ、ふたつめの不安だけは最低限取り除くよう心がけるべきだと考えています。
このことは、ライターとして営業することも同じだと、本記事を書いていて思いました。
営業するときは「この案件に通りたい」と思って応募すると同時に、「自分にこの案件はまだ早くないか」「自分のレベルで応募していいのか」と思うこともあります。
相談に来てくれる人の不安を解消しようとしているのだから、ほしい案件があるときは、自分のマインドブロックも解消して営業をかけていこうと考えました。