全ての道は体幹に通ず~コアスタビリティ~

 自主トレ企画、第2弾。前回は「自主トレやろうぜ!」という気持ちを書いたので、実質第1弾みたいなものです。

 自分でできる練習がたくさんある中で、まず初めに何をしようと思った時、「体幹」を鍛えるというものを思いつきました。

 体幹は腕(上肢)と足(下肢)を連結し、内臓が存在する文字通りの「体の幹」です。よく利用者さんにも説明するのですが、人間の関節は可動性があるのでゆらゆら動きます。関節を動かす筋肉は関節の両側を繋いで縮むことで関節が動きます。

 二つの棒を繋ぐゴムをイメージしてください。棒(骨)の間にあるゴム(筋肉)が縮む時、片方がしっかり固定されていないとゴムはあらぬ方向に動いてしまいます。

 あるいは、家の骨組みをイメージしてください。骨組み(体幹の骨と筋)がない家をつくっても、家の壁(腕や足)の筋は簡単に壊れてしまいます

 体幹──何かの中心を鍛えることは、そこに続く末端(腕や足)の機能を発揮させやすくすることに繋がるのです。

 今回は体幹の中でもいわゆる《インナーマッスル》である《腹横筋》を鍛えていきます。

 腹横筋とは腹直筋や腹斜筋群の内側にあり、これが働くことで腹圧が上がります。腕や足の動きより先に働いて、体幹の安定性に関わります。

・腹横筋を鍛えるコアスタビリティトレーニング

 姿勢は仰向けになり、両膝を立てます。

 この時、骨盤の《上前腸骨棘:ASIS》を触ります。これはこのようにおへそに親指を当てて触った時、小指あたりに来る骨盤の骨のでっぱりです。

 さらにこのASISから《2横指へそ側、2横指下側》に向けて指で触ります。

 ここで腹横筋を使えているか否か(収縮の有無)を判断します。

 では、ここでお通じを我慢するように、お尻の穴をキュッと締めるように力を入れましょう

 この時、ASISから2横指内下方向の筋肉が固くなるのを確認できると思います。

 この収縮は体幹を固めます。全身のあらゆる動きの前に働くことで、体幹に安定性を与えることになります。

 ★まずは特に体を動かさずに収縮を維持できることから始めましょう。最初は数秒、後々は数分、というように。

 特に筋力の低い人、内臓周りの病期で手術をして腹筋を切った……なんて人は一苦労かもしれません。

 ★次は、この収縮を保ったまま各種運動をしてみましょう

 運動はこれ以外にもいろいろあります。というか基本的な運動の時、常に腹横筋の収縮を意識するイメージです。

 この基本のよいところは、あらゆる運動の基本になる他、慣れれば通勤中でも日常でもいつでもできることです。最初は膝立て仰向け姿勢ですが、慣れれば立っても座ってもできるようになります。ただ、腹直筋みたいな他の筋肉が頑張って腹横筋の収縮がない……なんてことだけは注意する必要があります

 勉強でも運動でも自主トレでも、まずは基本から!

挿絵引用 https://www.canva.com/

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この記事を書いた人

関東在住の理学療法士。地域病院で急性期病床、地域包括ケア病床、介護療養病床の院内リハビリ、訪問リハビリテーションを経験。
現在は訪問看護事業所にて訪問リハビリテーション業務に従事中。

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